抗IA-2抗体
抗IA-2抗体(antiinsulinoma-associated protein-2)
抗IA-2抗体とは、膵臓に存在するIA-2(膵内分泌腫瘍関連蛋白Ⅱ)というタンパク質に対して産生される抗体のことです。
糖尿病は、大きく分けてⅠ型とⅡ型及びその他に分けられます。
1 型糖尿病は、自己免疫性疾患の1つで、膵臓のインスリンを出す細胞(β細胞)が自己抗体などの原因で壊されインスリンが不足し、血糖値が上昇します。
抗IA-2 抗体は、小児の1型糖尿病に高率に検出され、罹病期間が長くなったり、年齢が高くなると陽性率が低下します。
また、抗GAD 抗体は小児では陽性率が低く、思春期から成人では陽性率が高くなり、更に抗IA-2 抗体値と抗GAD 抗体値の間には相関関係が認められないことから両抗体を測定することは、抗IA-2 抗体または抗GAD 抗体を単独に測定するより、1型糖尿病のスクリーニングとして効果的と考えられます。
ただし、この検査は抗GAD抗体が陰性の場合に検査として算定が出来ます。
※本コラムは、医療従事者を対象とした臨床検査に関連する情報提供を目的としたサイトです。一般の方に対する情報提供を目的としたものではございません。
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臨床検査センター 昭和メディカルサイエンス 照会業務部 Y.S.医療現場で臨床検査を実施し、得られた各種データを活⽤して、診断や治療を支えるのが臨床検査センターの役割です。 |