BNPとNT-proBNP

心負荷が加わると、心筋細胞でproBNPが産生されます。

proBNPは、循環血液中で生理活性があるBNPと生理活性が無いNT-proBNPに分解されます。

BNPとNT-proBNPは、心不全の重症度に応じて血中濃度が上昇するため、心不全の早期発見や病態把握に有用なマーカーとして使われます。

どちらも臨床的有用性は同等ですが、測定値は双方の分子量、代謝経路、半減期(BNP:20分、NT-proBNP:120分)などの違いにより、NT-proBNP値はBNP値の3~10倍程度高い数値となり、高値ほど差が大きくなります。

また、採血後の検体の扱いにおいて相違があり、BNPは検査材料に血漿を使うため別容器が必要となりますが、NT-proBNPは生化項目と同じ容器で検査が可能なため、患者さんへの負担が少なく、また、BNPは経時的に低下しますがNT-proBNPは検体の安定性が高いと言われています。

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この記事を書いた人

臨床検査センター 昭和メディカルサイエンス 照会業務部 Y.N.

医療現場で臨床検査を実施し、得られた各種データを活⽤して、診断や治療を支えるのが臨床検査センターの役割です。