CA602

CA602

CA602というタンパク質は、卵巣癌の細胞で見られるものであり、このタンパク質は卵巣癌の診断や経過観察に用いられる腫瘍の目印となります。

通常、血液中にはほんの少量しか存在しないCA602ですが、卵巣癌の細胞が増殖すると、このタンパク質は大量に産生され、血液中に放出されます。

CA602は略称であり、正式名称は「Cancer Associated Antigen 602(腫瘍関連抗原602)」です。卵巣癌の診断において、CA602は非常に有用な腫瘍マーカーの一つです。卵巣癌には漿液性嚢胞腺癌や類内膜癌、粘液性嚢胞腺癌などが含まれ、これらの種類の癌の治療効果を評価したり、癌が再発した際の早期発見にもCA602は活用されます。

ただし注意が必要で、CA602の検査結果は良性の疾患でも上昇することがあるため、検査結果を評価する際には他の検査と組み合わせて注意深く判断することが大切です。

※本コラムは、医療従事者を対象とした臨床検査に関連する情報提供を目的としたサイトです。一般の方に対する情報提供を目的としたものではございません。

この記事を書いた人

臨床検査センター 昭和メディカルサイエンス 照会業務部 Y.M.

医療現場で臨床検査を実施し、得られた各種データを活⽤して、診断や治療を支えるのが臨床検査センターの役割です。