臨床検査センターとは③
臨床検査センターとは
臨床検査センターは、医療機関等からお預かりした検体を、検査センター(ラボ)内にて検査を実施、その検査結果を依頼元である医療機関等にご報告しております。
検査の内容はとても幅広く、「生化学的検査」、「血液学的検査」、「尿・糞便等一般検査」、「免疫学的検査」、「微生物学的検査」、「病理学的検査」、「遺伝子関連・染色体検査」に分類されます。
今回は、尿・糞便等一般検査、免疫学的検査、微生物学的検査について簡単にご紹介します。
尿・糞便等一般検査
尿糞便等一般検査は、主に尿や糞便、髄液、穿刺液等を材料とした検査を指し、全身の状態を把握するスクリーニング的な位置づけの検査が多い分野です。
代表的な検査として、尿一般検査や尿沈渣があり、尿一般検査では、pH値、比重、糖、タンパク質、白血球、赤血球、細菌などの項目を試験紙を使い検査します。
尿沈渣では、尿中に出現する細胞について検査をします。
これらの結果から尿路感染症、腎臓疾患、糖尿病などの病気の有無を判定することができます。
またその他では、大腸がんのスクリーニング検査で使用する便潜血検査や寄生虫の検査等も含まれます。
免疫学的検査
免疫学的検査は、抗原抗体反応法を用いた感染症や内分泌、腫瘍マーカー、アレルギー、ホルモン等の特殊な検査が多く含まれており、免疫系の機能や特定の病気に対する免疫応答の評価を目的した検査を指します。
特定の病原体に感染すると免疫系は、体内で対応する抗体を産生します。
その抗体の存在や量を測定し、感染症やアレルギーの診断、免疫状態の評価等をおこないます。
また、輸血療法実施のため、輸血に係わるABO血液型,Rh(D)血液型,不規則性抗体検査や輸血前の交差適合試験も含まれます。
微生物学的検査
微生物学的検査は、喀痰や尿、糞便等から、発熱や咳、下痢の原因となる病原体がいるかを調べる検査です。
検体材料をスライドグラスに塗抹し、顕微鏡で細菌の有無を確認する塗抹検査や直接培地に塗布して培養し、発育した菌種を同定する培養同定検査があります。また、治療に使用する抗菌薬を決めるために、その発育した菌種に対して効果的に作用する抗菌薬を調べる薬剤感受性検査があります。
次回は、病理学的検査、遺伝子関連・染色体検査についてご紹介します。
前回掲載している『臨床検査センターとは②』については、こちらを参照下さい。
この記事を書いた人
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臨床検査センター 昭和メディカルサイエンス 検査管理課 Y.N.医療現場で臨床検査を実施し、得られた各種データを活⽤して、診断や治療を支えるのが臨床検査センターの役割です。 |