エストラジオール(E2)

エストラジール(E2)

エストラジオール(E2)は、エストロゲン(女性ホルモンの一種)の中で、子宮内膜、子宮筋に対して生物学的作用が強いステロイドホルモンです。

主に卵巣と胎盤から分泌され、女性の月経周期や妊娠・出産に重要な役割を果たしています。

E2は無月経・無排卵症例を含む各症例における卵巣機能を直接反映する指標となります。

エストラジオール検査の主な目的として、卵巣機能の評価や子宮内膜症の診断が挙げられますが、更に閉経前の女性の卵巣機能不全の診断や閉経後の女性の更年期障害などの診断に使われます。

その他、骨代謝や脂質代謝にも関係しており、骨の新陳代謝に際して骨吸収をゆるやかにして骨からカルシウムが溶けだすのを抑制する働きや、抗動脈硬化作用を有し摂食行動、脂肪合成、脂肪の血中への放出を抑制し、脂肪の蓄積・消費を促進します。

女性が更年期を迎えエストラジオールが減少すると、骨粗鬆症や動脈硬化疾患が増えることが分かっています。

※本コラムは、医療従事者を対象とした臨床検査に関連する情報提供を目的としたサイトです。一般の方に対する情報提供を目的としたものではございません。

この記事を書いた人

臨床検査センター 昭和メディカルサイエンス 検査管理課 Y.N.

医療現場で臨床検査を実施し、得られた各種データを活⽤して、診断や治療を支えるのが臨床検査センターの役割です。