卵白とオボムコイド

卵白とオボムコイド

粗抽出アレルゲンである卵白のコンポーネントにオボムコイドがあります。

オボムコイドは、熱に対し安定であり、消化酵素に対しても耐性を持つため、加熱や消化の過程において変性せずに消化管から吸収されると考えられています。

卵白(粗抽出アレルゲン)と組み合わせてオボムコイドを測定することで、加熱卵の摂取可否の判断材料となります。

たとえば、卵白特異的IgEが「陽性」であっても、オボムコイド特異的IgEが「陰性(または低値)」の場合、加熱卵白に対する症状発現のリスクは低く、加熱卵が摂取可能である可能性が高いと考えられます。

一方、f1卵白特異的IgEとオボムコイド特異的IgEがともに陽性の場合、卵白による症状発現のリスクは高く、加熱卵白の摂取によっても症状を誘発する可能性が高いといえます。


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この記事を書いた人

臨床検査センター 昭和メディカルサイエンス 照会業務部 Y.S.

医療現場で臨床検査を実施し、得られた各種データを活⽤して、診断や治療を支えるのが臨床検査センターの役割です。