エラスターゼ1

エラスターゼ1

エラスターゼ1は、膵臓から分泌される酵素です。

膵臓がんが発症すると、エラスターゼ1が大量に血中に放出されるため、血中エラスターゼ1の測定は、膵臓がんの診断において非常に有用な腫瘍マーカーであり、癌の治療効果の評価や再発の早期発見にも役立ちます。

エラスターゼは、蛋白質の一種であるエラスチンを特異的に加水分解する酵素です。

エラスターゼの種類にはエラスターゼ1だけでなく、エラスターゼ2も存在しますが、その中でもエラスターゼ1が最も膵臓がんと関連が深いとされています。

ただし、エラスターゼ1の値は急性膵炎や慢性膵炎でも上昇することがあるため、エラスターゼ1の値が高い場合は、他の検査と組み合わせて診断を行う必要があります。

※本コラムは、医療従事者を対象とした臨床検査に関連する情報提供を目的としたサイトです。一般の方に対する情報提供を目的としたものではございません。

この記事を書いた人

臨床検査センター 昭和メディカルサイエンス 照会業務部 Y.M.

医療現場で臨床検査を実施し、得られた各種データを活⽤して、診断や治療を支えるのが臨床検査センターの役割です。