検診と健診の違い

健診とは

いわゆる健康診断を指しており、一般的な健康状態を評価することを目的としています。

健康診断は大きく、「特殊健康診断」と「一般健康診断」の二つに分類され、個々の健康状態を把握し、予防や生活習慣の改善のためのアドバイスを提供することを目的としています。

特殊健康診断

特殊健康診断とは、有害業務で働く労働者が受けるための健康診断を指しております。
有害業務は、労働安全衛生関係法令に定められており、作業の方法や環境の管理が不適切だと労働者の健康に悪影響を及ぼす業務であり、労働者の健康を守るためにも、以下の業務に従事する方には特殊健康診断を受けさせることが会社に義務付けられています。

特殊健康診断
  • 屋内作業場等における有機溶剤業務に常時従事する労働者
  • 鉛業務に常時従事する労働者
  • 四アルキル鉛等業務に常時従事する労働
  • 特定化学物質を製造し、又は取り扱う業務に常時従事する労働者及び過去に従事した在籍労働者
    (一部の物質に係る業務に限る)
  • 高圧室内業務又は潜水業務に常時従事する労働者
  • 放射線業務に常時従事する労働者で管理区域に立ち入る者
  • 除染等業務に常時従事する除染等業務従事者
  • 石綿等の取扱い等に伴い石綿の粉じんを発散する場所における業務に常時従事する労働者及び過去に従事したことのある在籍労働者

 

一般健康診断

一般健康診断とは、企業等に勤める全労働者が対象となる健康診断を指します。
会社は労働者に対して一般健康診断を実施することが義務付けられており、以下の健康診断が一般健康診断に該当します。

一般健康診断
  • 雇入時の健康診断
  • 定期健康診断
  • 特定業務従事者の健康診断
  • 海外派遣労働者の健康診断
  • 給食従業員の検便

 

その他に、特定健康診査(特定健診)といった生活習慣病の予防を目的とした40歳~74歳を対象に実施するメタボリックシンドロームに着目した健診もあります。

 

検診とは

検診とは、特定の病気や疾患を早期発見し、早期治療につなげることを目的としています。

医療機関などで任意に受診できる任意型検診と地方自治体が実施している対策型検診の2種類があります。

任意型検診とは、医療機関や検診機関等が任意で提供する医療サービスで、個人が自らの死亡リスクを下げる為に受けるもので、人間ドックが代表例です。

対策型検診とは、予防対策として行われる公共的な医療サービスで、集団の中から癌の疑いのある人を見つけ出し、早期発見・早期治療に結びつけて全体の死亡リスクを下げることを目的として実施するものを指し、がん検診(肺がん、胃がん、子宮頸がん、大腸がん、乳がん)等の住民検診が該当します。

 

この記事を書いた人

臨床検査センター 昭和メディカルサイエンス 照会業務部 Y.S.

医療現場で臨床検査を実施し、得られた各種データを活⽤して、診断や治療を支えるのが臨床検査センターの役割です。