hANP(ヒト心房性Na利尿ポリペプチド)
hANPとは
心房性ナトリウム利尿ペプチド(ANP)は、アミノ酸28個からなるペプチドホルモンで、主として心房で合成され、126残基の前駆体proANPの形で心房の分泌顆粒中に貯蔵されています。
心房筋伸展などの心房への刺激に応じて、速やかにproANPからANPが産生され、血中に分泌されるため、心房負荷の指標として使われています。クリアランス受容体への親和性や中性エンドペプチダーゼ(NEP)に対する親和性がBNPより高いため、血中半減期はBNPより短いとされています。
水管理が良好で心臓に異常のない患者では、透析終了後には血漿ANPが正常化するため、透析患者におけるドライウエイトの管理に適用できることも報告されています。さらに、心不全の治療薬としてもANPは有用であり、世界に先駆けて本邦で保険適用され重症心不全の治療に用いられています。
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臨床検査センター 昭和メディカルサイエンス 照会業務部 Y.S.医療現場で臨床検査を実施し、得られた各種データを活⽤して、診断や治療を支えるのが臨床検査センターの役割です。 |