NMP22

NMP22

NMP22は、細胞が分裂する際に細胞核から出されるタンパク質です。

普段は尿中にほんのわずかしか存在しませんが、尿路上皮癌細胞が増えると、NMP22が大量に作られて尿中に放出されます。

このNMP22は、「nuclear matrix protein 22(核マトリックスプロテイン22)」の正式名の略称です。

NMP22は細胞核の構造を保つ役割を持つタンパク質で、がん細胞では通常の細胞よりも多くのNMP22が分泌されることが考えられています。

NMP22は、尿路上皮癌の診断において非常に有用な腫瘍マーカーの一つであり、がん治療の成果を判定したり、再発を早期に見つけるのに使われます。

膀胱癌、腎盂尿管癌、尿道癌など、尿路上皮から発生するさまざまな癌でNMP22が上昇する可能性があります。

※本コラムは、医療従事者を対象とした臨床検査に関連する情報提供を目的としたサイトです。一般の方に対する情報提供を目的としたものではございません。

この記事を書いた人

臨床検査センター 昭和メディカルサイエンス 照会業務部 Y.M.

医療現場で臨床検査を実施し、得られた各種データを活⽤して、診断や治療を支えるのが臨床検査センターの役割です。