non-HDL

non-HDL (non-HDL-C)

non-HDLは、総コレステロール(TC)からHDL-Cを引いて求めます。

この中には動脈硬化誘起性リポタンパクであるVLDL、IDL、LDL、RLPそれぞれのコレステロールを含みます。

通常、コレステロールはリポタンパク質と結びついて血液中を流れます。HDLはコレステロールを体から運び出す働きが有ります。一方、VLDL、IDL、LDL、RLPは組織にコレステロールを運ぶ働きが有りますが、過剰な場合は血管壁に蓄積することで動脈硬化の原因となる可能性があります。

non-HDLは、これらのリポタンパク質の総合的なコレステロール量を示す指標で、心血管疾患のリスク評価においてLDL-Cだけでなく、HDL以外のすべてのリポタンパク質の影響を考慮することができます。

ガイドラインでは、non-HDL値が170mg/dL以上は高non -HDLコレステロール血症、150~169mg/dLは境界域高non-HDLコレステロール血症になります。

Friedewald式を使ったLDL-Cは食後の採血では使用できませんが、non-HDL-Cは使用することができます。

VLDL:超低比重リポタンパク IDL:中間比重リポタンパク LDL:低比重リポタンパク RLP:レムナントリポタンパク HDL:高比重リポタンパク

※本コラムは、医療従事者を対象とした臨床検査に関連する情報提供を目的としたサイトです。一般の方に対する情報提供を目的としたものではございません。

この記事を書いた人

臨床検査センター 昭和メディカルサイエンス 検査管理課 Y.N.

医療現場で臨床検査を実施し、得られた各種データを活⽤して、診断や治療を支えるのが臨床検査センターの役割です。