NSE(神経特異エノラーゼ)
SLX
NSE(神経特異エノラーゼ)は、神経組織や神経内分泌細胞に存在する酵素です。
通常、血液中にはほんのわずかしか存在しないのですが、肺小細胞癌や神経芽細胞腫などの神経内分泌腫瘍細胞が増殖すると、NSEは大量に生成され、血液中に放出されます。
NSEは、略称で、正式名称はNeuron-specific enolase(神経細胞特異性エノラーゼ)です。エノラーゼの一種であり、神経細胞に特異的に存在することから、神経特異エノラーゼと呼ばれています。
NSEは、肺小細胞癌や神経芽細胞腫などの神経内分泌腫瘍の診断において特に役立つ腫瘍マーカーとされています。また、治療の効果判定や癌の再発の早期発見にも活用されます。
ただし、NSEの検査結果を解釈する際には、肺小細胞癌では60~80%、神経芽細胞腫では70~80%の陽性率を示す一方で、偽陽性率が約5%とされているため、他の検査と組み合わせて慎重に判断する必要があります。
また、溶血や腎障害などが原因で誤った高値を示すことがあるため、注意が必要です。
※本コラムは、医療従事者を対象とした臨床検査に関連する情報提供を目的としたサイトです。一般の方に対する情報提供を目的としたものではございません。
この記事を書いた人
|
|
臨床検査センター 昭和メディカルサイエンス 照会業務部 Y.M.医療現場で臨床検査を実施し、得られた各種データを活⽤して、診断や治療を支えるのが臨床検査センターの役割です。 |