PIVKA-Ⅱ
PIVKA-Ⅱ
PIVKA-Ⅱは、血液凝固因子のプロトロンビンの前駆体である凝固第Ⅱ因子(プロトロンビン前駆体)の異常体です。
正常な血液中における凝固第Ⅱ因子は、ビタミンKによって活性化されますが、肝細胞がんでは、ビタミンKの欠乏や、ビタミンK拮抗薬の使用などにより、活性化されない異常な凝固第Ⅱ因子が産生されます。
PIVKAの名前の由来は、Protein induced by vitamin K absence or antagonist(ビタミンKの欠乏や拮抗薬によって誘発される蛋白質)からきています。
PIVKA-Ⅱは、肝細胞がんの診断に高い特異性のある有用な腫瘍マーカーの1つで、癌の治療効果の判定や、癌の再発の早期発見にも用いられます。
ただし、PIVKA-Ⅱは、肝炎や肝硬変でも上昇することがあります。そのため、PIVKA-Ⅱの値が高い場合は、他の検査と組み合わせて、判断する必要があります。
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臨床検査センター 昭和メディカルサイエンス 照会業務部 Y.S.医療現場で臨床検査を実施し、得られた各種データを活⽤して、診断や治療を支えるのが臨床検査センターの役割です。 |