プロバビリティカーブとは

プロバビリティカーブとは

プロバビリティカーブとは、特異的IgE抗体価と、そのアレルゲンによる症状発現率(同じ抗体価を持つ集団の中で、同じ条件下で原因アレルゲンに曝露された際に症状が出現する症例の割合)の関係をグラフで示したものです。

これまで、国内外で複数の研究グループが、卵白、牛乳、小麦、ω-5グリアジン、ピーナッツ、魚、ダニ、猫、犬など、様々なアレルゲンについてこのカーブを作成してきました。

これらの研究では、特異的IgE抗体価が高いほど、その食品を摂取した後の症状誘発率が高くなることが示されています。

陽性的中率(PPV)が95%または90%となる抗体価が、いくつかのアレルゲンについて報告されており、この抗体価以上であれば、リスクの高い経口負荷試験を行わずに、食物アレルギーと診断できる基準として用いられています。

ただし、プロバビリティカーブは、あくまでも対象とした集団の測定値と負荷試験結果を統計的に処理して作成されたものであり、全ての症例に当てはまるものではありません。

個々の症例の過敏性亢進の状態や、抗体価の上昇・下降傾向によっても症状発現率は異なるため、特異的IgE検査結果の解釈の参考としてご利用ください。


※本コラムは、医療従事者を対象とした臨床検査に関連する情報提供を目的としたサイトです。一般の方に対する情報提供を目的としたものではございません。

この記事を書いた人

臨床検査センター 昭和メディカルサイエンス 検査部 Y.S.

医療現場で臨床検査を実施し、得られた各種データを活⽤して、診断や治療を支えるのが臨床検査センターの役割です。