ProGRP

ProGRP

ProGRP(ガストリン放出ペプチド前駆体)は、膵臓や肺などの臓器に存在するペプチドで、胃液の分泌を刺激する役割があります。

普段、血液中にはごくわずかしか含まれていませんが、肺小細胞癌などの腫瘍細胞が増殖すると、ProGRPは大量に生成されて血液中に放出されます。

ProGRPは略称で、正式名称はPro-Gastrin-Releasing Peptide(ガストリン放出ペプチド前駆体)です。このマーカーは、肺小細胞癌などの腫瘍の診断において特に役立つ腫瘍マーカーの一つであり、治療の効果判定や再発の早期発見にも利用されます。

ProGRPは、肺小細胞癌において60~75%の陽性率を示しますが、肺腺癌や大腸癌などの他の癌でも上昇することがあります。

そのため、ProGRPの検査結果を解釈する際には、他の検査と組み合わせて慎重に判断することが大切です。また、肺疾患や腎疾患などでも誤った高値を示すことがあるため、注意が必要です。

※本コラムは、医療従事者を対象とした臨床検査に関連する情報提供を目的としたサイトです。一般の方に対する情報提供を目的としたものではございません。

この記事を書いた人

臨床検査センター 昭和メディカルサイエンス 照会業務部 Y.M.

医療現場で臨床検査を実施し、得られた各種データを活⽤して、診断や治療を支えるのが臨床検査センターの役割です。