特異的IgEの陽性・陰性について

症状がないのに特異的IgEが陽性に出るのはなぜ?

症状の発現には、特異的IgEの存在(感作のほか、アレルゲンの曝露量、化学 伝達物質の量、患者さんの状態(化学伝達物質の感受性亢進の有無)などの因子が関与します。これらの条件が揃った時に症状発現を起こすと考えられます。そのため、特異的IgEが陽性であっても、症状が出ない場合があり ます。

症状があるのに特異的IgEが陰性になるのはなぜ?

症状があるのに特異的 IgE が陰性になる原因として は、例として以下が考えられ ます。
・特異的 IgEが関与していないアレルギーである(Ⅰ型以外のアレルギーである、もしくは免疫を介さずにアレルギー様症状を引き起こす仮性アレルゲンなどが原因)
・局所では特異的IgEが存在し症状を起こす条件が揃っていても、血中の特異的 IgEが十分に上昇していない
・問診では患者の主訴に頼ることが多いため、疑われたアレルゲンが原因アレルゲンではない
・試薬の固相アレルゲン中に、当該症状に関与するアレルゲンコンポーネントの含有量が少ないためにIgEを十分に検出できていない


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この記事を書いた人

臨床検査センター 昭和メディカルサイエンス 照会業務部 Y.S.

医療現場で臨床検査を実施し、得られた各種データを活⽤して、診断や治療を支えるのが臨床検査センターの役割です。