前立腺特異抗原(PSA)レクチン結合分画比(S2,3PSA%)

この度、昭和メディカルサイエンスでは、前立腺特異抗原(PSA)レクチン結合分画比(S2,3PSA%)の検査を2024年6月1日(土)受付分より新規受託開始いたしました。この検査は、前立腺特異抗原(PSA)は、糖タンパク質であり正常組織由来のものと癌由来のものでは、その糖鎖構造が異なります。
健常者や前立腺肥大症などの良性疾患の糖鎖構造は、N型糖鎖の末端シアル酸残基がα(2,6)結合でガラクトースに結合したPSA(S2,6PSA)の割合が多く、前立腺癌の患者では糖鎖構造が変異し、α(2,3)結合でガラクトースに結合したPSA(S2,3PSA)の割合が増加いたします。
そのため、S2,6PSAとS2,3PSAの総和に占めるS2,3PSAの割合(S2,3PSA%)は、前立腺癌と前立腺肥大症との識別において有用性が示されています。
S2,3PSA%測定は、前立腺癌診断において高い特異度を有し、不必要な針生検の低減が期待されます。
前立腺特異抗原(PSA)レクチン結合分画比(S2,3PSA%)検査に関する検査要項は以下をご参照ください。

検査項目名 前立腺特異抗原(PSA)レクチン結合分画比(S2,3PSA%)
項目コード 5259
採取容器 分離剤入り容器
検体必要量 血清0.5mL
保存方法 冷蔵
検査方法 LBA-EATA法
単位 %
基準範囲 38.0未満
報告範囲 20.0未満~80.1以上
報告桁数 小数第1位
所要日数 4~7日
検査実施料 248点
判断区分 生化学的検査 Ⅱ
備考 本検査は、前立腺癌であることが強く疑われる者であって、前立腺特異抗原(PSA)の結果が4.0ng/mL以上10.0ng/mL以下である者に対して、LBA法(定量)により、本検査を測定した場合に限り算定する。本検査は、前立腺癌の診断に当たって実施した場合に、原則として1回を限度として算定する。ただし、前立腺針生検法等により前立腺癌の確定診断がつかない場合においては、3月に1回に限り、3回を限度として算定できる。本検査と、前立腺特異抗原(PSA)、遊離型PSA比(PSA F/T比)またはプロステートヘルスインデックス(phi)を併せて実施した場合には、いずれか主たるもののみ算定する。診療報酬明細書の摘要欄に、前立腺特異抗原(PSA)の測定年月日及び測定結果を記載すること。また、本検査を2回以上算定する場合は、診療報酬明細書の摘要欄にその必要性を記載すること。
  • 新規受託開始の詳細につきましてはSMS『No.2024-16』をご確認下さい。詳しくはこちら

※ 2024年6月時点での情報となります。

その他のお知らせや各種検査項目に関する詳細につきましては、検査案内をご活用下さい。

※本コラムは、医療従事者を対象とした臨床検査に関連する情報提供を目的としたサイトです。一般の方に対する情報提供を目的としたものではございません。

この記事を書いた人

臨床検査センター 昭和メディカルサイエンス 照会業務部 Y.S.

医療現場で臨床検査を実施し、得られた各種データを活⽤して、診断や治療を支えるのが臨床検査センターの役割です。