SCC抗原

SCC抗原

SCC抗原は、扁平上皮がん関連抗原とも呼ばれ、扁平上皮がんの発生によって産生されるタンパク質です。扁平上皮は、魚のウロコのような形をした細胞で、皮膚、口腔内、食道、肺、子宮頸部などにみられる組織です。

SCC抗原は、通常、血液中にごく微量しか存在しませんが、扁平上皮がん細胞が増殖すると、SCC抗原が大量に産生されます。

SCC抗原は略語で、正式名称はSquamous Cell Carcinoma Antigen(扁平上皮がん関連抗原)です。

SCC抗原は、扁平上皮がんの診断に最も有用な腫瘍マーカーの1つで、扁平上皮がんには、子宮頸部癌、肺癌、頭頸部癌、皮膚癌などがあり、これらに対する癌の治療効果の判定や癌の再発の早期発見にも用いられます。

ただし、SCC抗原は、良性疾患でも上昇することがあるため、SCC抗原の検査結果を解釈する際には、他の検査と組み合わせて慎重に判断する必要があります。

※本コラムは、医療従事者を対象とした臨床検査に関連する情報提供を目的としたサイトです。一般の方に対する情報提供を目的としたものではございません。

この記事を書いた人

臨床検査センター 昭和メディカルサイエンス 照会業務部 Y.M.

医療現場で臨床検査を実施し、得られた各種データを活⽤して、診断や治療を支えるのが臨床検査センターの役割です。