STN

STN

STNは、Tn抗原の末端にシアル酸が結びついた糖鎖抗原です。

Tn抗原は、細胞表面に存在するムチンと呼ばれる糖タンパク質の一種で、シアル酸は糖鎖の一部を構成する糖の一種です。

STNは通常、血液中にほんのわずかしかありませんが、癌細胞が増えるとSTNの量も増えます。そのため、STNの検査は癌の早期発見や再発の診断に役立ちます。STNは略称で、正式名称はSialic Acid-conjugated Tn antigen(シアル酸結合Tn抗原)です。

STNは、卵巣癌や胃癌、大腸癌、膵癌などの消化器系の癌の診断において非常に有用な腫瘍マーカーとされています。また、治療の効果判定や再発の早期発見にも応用されます。

ただし、STNの値が高くなるのは卵巣のう胞や胆石症などでも起こりうるため、STNの値が高い場合は、他の検査と組み合わせて癌の診断を進めることが大切です。

※本コラムは、医療従事者を対象とした臨床検査に関連する情報提供を目的としたサイトです。一般の方に対する情報提供を目的としたものではございません。

この記事を書いた人

臨床検査センター 昭和メディカルサイエンス 照会業務部 Y.M.

医療現場で臨床検査を実施し、得られた各種データを活⽤して、診断や治療を支えるのが臨床検査センターの役割です。