Span-1抗原

Span-1抗原

Span-1抗原(血清膵臓抗原1)は、膵臓に特有のムチン型糖蛋白で、膵臓がん細胞の膜および分泌物中に存在します。

通常では血液中にわずかしか存在しませんが、がん細胞が増えると、Span-1抗原がたくさん生産されます。

膵臓がんや胆道癌、肝細胞癌に比較的高い陽性率が認められますが、特に膵臓がんの診断、治療の効果判定や再発の早期発見に多く用いられます。

ただし、Span-1抗原は膵炎や胆石症、慢性肝炎、肝硬変などの良性疾患でも上昇することがあるため、Span-1抗原の値が高い場合は、他の検査と組み合わせて診断を進めることが重要です。

※本コラムは、医療従事者を対象とした臨床検査に関連する情報提供を目的としたサイトです。一般の方に対する情報提供を目的としたものではございません。

この記事を書いた人

臨床検査センター 昭和メディカルサイエンス 検査部 Y.S.

医療現場で臨床検査を実施し、得られた各種データを活⽤して、診断や治療を支えるのが臨床検査センターの役割です。