TPA

TPA

TPA(組織ポリペプチド抗原)は、多種類のヒト悪性腫瘍に共通の抗原として同定された腫瘍マーカーの一種です。

TPAは、正常な組織にはほとんど存在しませんが、癌組織では大量に産生されます。そのため、TPAの検査は、癌のハイリスク患者における早期発見や治療後のモニタリング、再発の予知に使われています。

TPAは主に大腸がん、肺がん、乳がん、卵巣がん、前立腺がんなどの腫瘍マーカー検査として用いられておりますが、臓器特性に乏しく他の癌でも上昇することがあるため、TPA検査は、他の検査・診断法と組み合わせて、癌の診断に用いる必要があります。

また、TPAは偽陽性を示すこともあり、炎症、感染症、肝疾患、心疾患、腎疾患、糖尿病、喫煙、運動、ストレスなどが主な要因として挙げられます。

そのため、TPAの検査結果を解釈する際には、これら要因についても考慮する必要があります。

※本コラムは、医療従事者を対象とした臨床検査に関連する情報提供を目的としたサイトです。一般の方に対する情報提供を目的としたものではございません。

この記事を書いた人

臨床検査センター 昭和メディカルサイエンス 照会業務部 Y.M.

医療現場で臨床検査を実施し、得られた各種データを活⽤して、診断や治療を支えるのが臨床検査センターの役割です。