臨床検査センターとは④

臨床検査センターとは

臨床検査センターは、医療機関等からお預かりした検体を、検査センター(ラボ)内にて検査を実施、その検査結果を依頼元である医療機関等にご報告しております。

検査の内容はとても幅広く、「生化学的検査」、「血液学的検査」、「尿・糞便等一般検査」、「免疫学的検査」、「微生物学的検査」、「病理学的検査」、「遺伝子関連・染色体検査」に分類されます。

今回は、病理学的検査、遺伝子関連・染色体検査について簡単にご紹介します。

病理学的検査

病理学的検査は、大きく組織診検査と細胞診検査に分類されます。

組織診検査とは、患者から採取された組織を標本にして、その標本を病理医が観察し、所見を報告します。例えば胃にできたポリープが良性なのか悪性なのかはこの検査で判定が出ます。

細胞診検査は、生体より採取された検体(細胞)を標本にして、細胞の異常を調べる検査です。

代表的な検査として、子宮頸部細胞診による異型性やがん細胞の存在の有無や気管支細胞診による肺がんや気管支炎、肺感染症などの判定や病態評価などが挙げられます。

がんの早期発見や進行度合いをもとに治療の方針を決定する時に使われます。

遺伝子関連・染色体検査

遺伝子関連・染色体検査は、遺伝子や染色体の異常を調べるための検査です。

これらの検査は、遺伝性疾患や染色体異常を早期に発見するために行われることがあります。

染色体検査は、体細胞の染色体を調べることで、数や構造の異常を検出します。

代表的な染色体検査として、染色体を特定のバンドパターンで染色することによって、染色体の異常や再配列を検出するG分染法等があります。

異常な染色体パターンを持つ人々の遺伝的な疾患や症候群の特定、不妊症の原因の解明、近年では出生前診断などにも役立てられています。

遺伝子検査は、DNAの配列や遺伝子の変異を解析することで、特定の遺伝性疾患や疾患のリスクを評価します。広く一般的な使用されている検査方法としては、DNAやRNAの一部を増幅するPCR法やDNAの配列を解読する次世代シーケンシング(NGS)等があります。

遺伝子検査は、特定の病気の診断や治療法の選択などに役立ちます。

 

臨床検査センター①から④を通じて各検査について簡単にご紹介しましたが、臨床検査センターは、各医療機関が患者さんの状態を正しく判断する為に、精確な検査結果を報告するための高い技術能力が求められます。その技術能力証明の一つとして検査室に特化したISO15189(臨床検査室の品質マネジメントシステムと臨床検査の技術能力を求める国際規格)というものがあります。次回はISO15189にて簡単にご紹介したいと思います。

前回掲載している『臨床検査センターとは③』については、こちらを参照下さい。

この記事を書いた人

臨床検査センター 昭和メディカルサイエンス 検査管理課 Y.N.

医療現場で臨床検査を実施し、得られた各種データを活⽤して、診断や治療を支えるのが臨床検査センターの役割です。