便潜血検査とは
便潜血検査(便中ヘモグロビン検査)とは
便潜血検査(便中ヘモグロビン検査)は、腸管出血の検出を目的として古くから活用されており、便中の血液の反応から出血の有無を確認します。
かつては赤血球中のヘム蛋白が持つペルオキシダーゼ様の反応を検出する化学法が主流でしたが、感度が十分ではなく食事由来の偽陽性など欠点が知られていました。その後に開発された免疫法は、ヒトヘモグロビンに対する抗体を用いることで鋭敏かつ特異的な潜血の検出が可能となり、以降、主に大腸がんのスクリーニング検査として広く普及しています。
便潜血検査(便中ヘモグロビン検査)における大腸がんの死亡率減少効果は、コホート研究の結果から十分に認められており、厚労省の指針では2日に分けて2回採便する2日法が推奨されています。
注意点としては、検体の保存条件(採便後の時間と保管温度)が検査精度に影響を及ぼすことが知られています。このため、検体提出後は速やかに検査を実施するほか、受診者・患者様への適切な検体提出と保管の説明が重要です。
<参考文献>
南義弘, ほか:検査と技術, 19(10):40-44, 1991.
日本消化器がん検診学会編:大腸がん検診マニュアル-2021年度改訂版-
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臨床検査センター 昭和メディカルサイエンス 照会業務部 Y.S.医療現場で臨床検査を実施し、得られた各種データを活⽤して、診断や治療を支えるのが臨床検査センターの役割です。 |